秋雨の顛末6(行かずの国東ツーレポ) オレンジロードという名前は付いているが、道の周囲を見渡しても蜜柑なんて見えない。 かつて柑橘類に期待が寄せられていた時に政府や農林省の口車に乗せられて痛い目に遭った農民たちの怨嗟の声が聞こえてきそうだ。 道は心なしか荒れている。 時々突き上げるアスファルトの隆起や陥没にハンドルを取られそうになる。 路面は改装されぬまま長いときを経ているようである。 行き交う車もない。 周囲は木立に囲まれて展望も利かない。 面白みのない道だ。 跳ばす気にもなれないので、早く終わればいいと願うばかり。 途中で坂を上りきった所に展望台という標識があった。 鋭角に曲がると視界が開けた。 長い間水に潜っていて、やっと浮上したような感覚で、眼下に広がる豊後水道と姫島を眺める。 やはり下の海沿いの道のほうがいいか、と考える。 続く・・・ |