乗鞍スカイライン、ラストランツーリング
著作・製作 TAKA2  TAKA2ってどんな人?
2002年9月22日〜26日 おおむね晴れ!


【9月24日(火)】

気が付くと5時になっていた。

昨日は途中でみつけた道の駅ひだ朝日村にあるトイレのとなりにテントを立てて一夜を過ごした。

最近できたばかりのぴかぴかの道の駅だが、昨夜22以降はまったく人がいない。
ここに到着していままでに通過していった車は多分5台くらいだろう。

昨夜はあまりに薄気味悪く、なかなか寝付けなかった。
しかし気が付けばすでに5時、ってことは4時間くらいは眠ったかな。





    ◇ああっ!野麦峠◇

さて今日はいよいよ乗鞍突入である。心がはやる。

野麦峠まで目と鼻の先でもあり、とりあえず日の出を野麦峠で拝めればと思った。

例によってまっくらやみで荷物を片付け、荷物を積む前にタイヤを点検する。
よし、パンクしてない。


早速荷物を積んで、5時30分にはスタート。

走り出すとだんだん回りが明るくなってくる。なんかわくわくしてきた。
ダム沿いの細いがきれいな道をばんばん上っていく。

しかし、昨日も思ったのだが、このへんは細い峠道がやたらと長い。
30分くらい平気で峠道が続いている。もちろんこれは喜ばしいことだ。

途中アーチ型ダムに出くわす。
ちょいとダムにタイヤを乗せただけで、くるりと向きをかえ、またダム沿いを峠に向かって走り出す。

しばらく走ると「ここは野麦峠」という看板があった。そうかーここが野麦峠か・・

ふっと頭の中をイメージが膨らむ。映画の「ああ野麦峠」で見た景色と重なってくる。

昔ここを女工さんたちが歩いていったんだ。

この景色を見ながら、この道を歩いていったんだろう。


ちょっと想像してみる。

年末なんかにこの峠を越えていったたくさんの女工さん。
若い女の子の団体さんは、みんな実家に帰れる喜びで明るくおしゃべりをして、さぞ華やかだっただろう。

目の前の道にたくさんの女の子が歩いている姿が重なってきた。
もちろん、イメージの女工さんは大竹しのぶ似であるのはいうまでもない。

しかし・・まだこのときは私は気付いていなかった。ここが新道であることを。






お助け茶屋に到着した。するとまるで世界が変わるかのように目の前が開けた。

目前に広がる山々!そこに上る朝日!その下に広がる雲海!

思わず停車し、記念撮影をする。
しばらくは呆然と景色を眺め、その後たくさんの写真を撮る。多分30分はそこにいたと思う。


野麦峠からのご来光
う、美しい!

 


野麦峠にて。

 




















歩いてお助け茶屋の周りをうろうろしている。
時間がもうすこし遅ければいろいろ見れたと思うのだが、残念ながらまだ早朝でお店は開いていない。

後日もう一度来ようとそのときは思った。(実際には時間が取れず、来ることはできなかった。)


さて、写真撮影も一段落つくと、いよいよ乗鞍への期待が膨らむ。
すばらしい中部電力の鉄塔を見ながら峠を下って行くとする。

途中まで下って車とすれ違う。本日始めての車との遭遇だ。




途中、いきなり現れた山々
どうでい!美しい



ここが野麦峠です。
次回はぜひ歩いてみたい。

 

途中、旧野麦街道の看板を見つける。
ここで、先ほどの道は女工さんは通っていないことに初めて気付く。

旧道を少しあるいてみようかと考え、
入り口から覗いてみると、延々と上り坂が続いているのが見える。
早く乗鞍に行きたい。また後日こよう。 

 とその時は考える。














    ◇おおっ!乗鞍岳◇


県道26号をひた走りぐんぐん峠を下ると民家がちらほらと見えてきた。
乗鞍がすぐそばまで迫っていることを、体中で感じることができる。

ツーリングマップルには乗鞍が現れている。
数日前からもう何十回も見つめているページだ。

いよいよ上高地乗鞍林道へ突入する。


乗鞍の周りは有料道路だらけだ、一般道だけを使って乗鞍へ進入するルートはただひとつだけしかない。

今日は有料の上高地乗鞍林道を使って乗鞍高原への侵入を試みることにする。


林道入り口の看板がなかなか見当たらない、どうやら行き過ぎたようなので、Uターンして入り口を探す。

見つかったが、なかなかわかりにくい。


一応有料道路であるので、いくらかきれいに整備された道路かと思っていたが、ほんとうにただの林道だ(笑)
特に入り口からしばらくは、畑のちょっと大きめなあぜ道という印象だった。

ほんとにこの道でいいんだろうか?心配になってきたちょうどそのころ、
目の前にほったて小屋が・・・見ると、310円と料金が書いてある。料金所だ。

しかし、だれもいない。料金箱のようなものもない。どうやら時間が早すぎるようだ。

ラッキー!ありがたく通過させていただいた。

林道に入ると、山の中腹をぐんぐん登っていく。まさに別の世界へ引き込まれていくかのようだ。

山岳を登っていっていると実感できる。
山の中腹を林道が走っているが、その道は遠くの山まで貫いている。
よくある峠を登るためのくねくね道ではない。山岳の中腹を遠くまで渡っているのだ。

走っても走っても山の中である。しかし、決してあきることはない。
なぜ飽きないかというと、景色がすばらしいのだ。

木々の色も空の色も九州のそれとは違う。「これがアルプスの山々か・・」

にわかに視界が広がり乗鞍岳が目の前に飛び込んできた。

おお〜っ!すばらしい!

しばらく山を眺めることに・・・

まってろよーすぐに征服してやっからな。



乗鞍岳とのご対面
空がグラデーションでしょ!


だんだん暖かくなってきた。

空はぬけるように青く、グラデーションがかかっている。

山々は目前に迫り、まったくかすんでいない。


「ハイビジョンだ・」いや、まじでそう思った。
そのときの美しさをこういう表現しかできなかった。(笑)
うーん、情けない・・・

早く乗鞍岳に上りたい、もうすぐそこにあるように見える。

道を急ぐことにする。







しかし、ここからも林道は長い、ここから30分は走りつづけることになった。


ふと、山の雰囲気が上品になってきたことに気付く。白樺だ。

さわやかでブルジョアな風景が広がると、林道ももうすぐ終点だ。

乗鞍高原を抜け、県道84号線に出る。



とりあえず、本日・明日と二日間泊まることになっているアリスさんのところに荷物を預けに行くことにする。

国道を少し下ると、左に看板がある。
しかし、ここは本当にペンションの多いところだ。
看板に従い、森の中に入っていくと、ペンションアリスがあった。
森によく似合うかわいいペンションだ。

バイクを止めて玄関から入ると、すぐにすっごいドカティ
(どんなドカかは実際に見に行ってみてね)がお出迎え。

とりあえず中に入って挨拶をするが、ちょうど朝食の準備時でもあり、オーナーも超大忙しだ。
事前にお願いしていたとおり、荷物だけ置きにきたことを告げると、

その辺に置いといてかまわないとのこと。荷物を降ろしてそこに積み上げることにした。



ペンションありすさん、です。お世話になりました。

 





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