秋雨の顛末10(行かずの国東ツーレポ)
著作・製作 Hanajinさん  Hanajinさんってどんな人?



当初40パーセントだった日曜日の降水確率がどんどん高くなる。

日曜日の国東は諦めざるを得ない状況になってきた。
しかし参加者の思いを考えると、家でのBBQだけはやろうと決めた。

日曜日は日曜日。ケセラセラだ。
どんな状況であれ、集まれば楽しい仲間たち。あとは流れに任せよう。

土曜日が来た。朝からうす曇。
11時に瀬の本に着くためには8時には出発しなければならない。
明日の天気の不安を胸に、バイクを走らせる。

瀬の本ユースで待ち合わせる予定の仲間の顔を思い浮かべる。
さっちんやかずさん、初めて会う宮崎のまーぼーさん、福岡のグリーンハムさん、sugakiさん。そしてakutaさん、VANさん。
ほんの二時間くらいしか居られないが、少しでも走れて話が出来ればいい。

紅葉はほんの少し始まっていた。
秋になると毎週のように通う道を今日も急ぐ。

四季彩ロードを久住から筋湯に抜け、瀬の本へ。バイク乗りがおおい。
瀬の本には10時半に着いた。
少し時間を潰す。

三愛レストハウスの裏側のオートキャンプ場を散歩する。
伸びやかな台地が続いている。
草の上に寝転んで、空を見上げると、時間が止まったように過去と現在が交錯し始める。

17・8歳のころ、何度もバイク仲間と通った道だ。
そのころの写真も残っている。よく皆で寝そべって時の経つのも忘れて話をしたものだ。
バイクは私がCB250、Aは350エキスポート、Kは買ったばかりのDT、NはCL250、UはCL90・・。ウルフに乗っていたのは・・。

いつのまにか時間が経っている。
起き上がって瀬の本ユースに急ぐ。

レストハウスからユースまではほんの一走りだった。

砂利道を入っていくとさっちんのバイクが見えた。
「九州」の書き込みではユースのヘルパーをしながらこの近辺を走り回っているらしい。
その若さと自由さが羨ましい。

若さというのはその中にいるときはその価値が分からないものだ。自分自身はそうだった。
坩堝の中にいるように焦燥感に駆られたり、先を見ようとしなかったり。

さっちんがそうというわけではない。
自分で自分の人生を発見しようとしている姿に見える。
それが出来ることを羨ましく思うのだ。
だが、一生が自分を発見するための旅だと思えば、これからもすることは山ほどある。

CB750Fが置いてある。
宮崎ナンバーだからまーぼーさんのものだろう。
中に入っているらしいが、私はその辺をうろつく。

標高900メートルにしては、紅葉はまだまだ進んでいない。
照葉樹林が谷に向かって落ちていく辺りに佇んで、周囲を見渡す。

バイクの音が聞こえた。緑色の車体。グリーンハムさんの到着だ。

続く・・・