秋雨の顛末3(行かずの国東ツーレポ) 立石は国東半島の付け根にある。 ここからは上りの道。紅葉はまだまだだ。 上りきったところでしばし休憩する。 前にも後ろにも人の気配も車の気配もない。 岩肌が少し見える場所に佇んで煙草を燻らす。 鳥の声さえ聞こえない静寂が私を包む。 どういう経緯で仏道を極めようとした人々がこの地に足を踏み入れたのかは分からない。 だが他の修験道の山と共通する何かが漂っている。 求菩提山、英彦山、この近辺にはまだまだあるだろう。 現代に生きる我々が、千年前の人々と同じ思いを共有できるはずもないが、 ほんの何パーセントかでも知ったような気になるからこそわざわざ辺鄙な場所にもかかわらず行こうとするのかもしれない。 再びバイクに火を入れる。オイル漏れを確かめる。そろそろと下り坂を走る。 熊野磨崖仏に向かって右折する。 ずいぶんと道が良くなっている。 4年ぶりくらいか。 以前は秘境的な雰囲気があったのだが、今は便利な観光地と成り下がっている。 最後の数百メートルに面影が残っているだけだ。 それを上り、一番上の駐車場へ。 8時ごろにここを訪れる人はいない。 鬼の階段もひっそりしている。 本番のツーリングの時は、皆でここを上る予定だ。 「耶馬溪体力測定ツー」という名称を思いついた。 日頃の鍛え方や今の体力を計るにはもってこいの場所だ。 駐車場を一回りして、引き返す。 続く・・・ |